恐怖から握り締めた拳にじわじわと嫌な汗が噴き出てくる。
爽やか君が何でこんなに俺に構うのかぜんっぜん分かんないし、クラスの人達からめちゃくちゃ見られてるのも恥ずかしい。
その訳分かんないのと恥ずかしいのがごっちゃになって余計に涙は出てくるし、ああもう!
限界だ・・・!!
「うえっ、ごめ、なさいいいぃぃいいぃいいいっ!!!!!!」
「え、ちょ、山田!!」
今まで発揮したことのないような力で爽やか君の手を振りほどき、教室中の視線をがんがんに浴びながら全速力で教室から飛び出した。
ごめんなさい、爽やか君!いつか俺の恐怖症が治ったときにいっぱいお話するから、どうか!どうか最低で最悪のこの俺を見逃してやってください!
そして、
そしてあわよくば。
こんな最低で最悪で糞みたいな俺と、友達になってくれたら嬉しいです。
だから今は全力で走らせて!
◎