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はじめまして、山内千春です。
両親の転勤の都合でこの全寮制の学園に入学した僕だけど、ここ最近どうも視線を感じるのです。
どこに居ても、何をしてても、いろんなところから視線を感じるのです。
たとえば、昼ごはんにメロンパンを食べている今とか・・・。
(ううう・・・、また視線を感じるようっ)
もそもそとメロンパンを口に含んでいると、いたるところから突き刺さるような視線を感じる。
メロンパンを口に当てたまま視線の感じる方にちらりと目線をやると、三人組のクラスメイトたちと目が合った。
けど瞬時に逸らされちゃった・・・。
(き、嫌われてるのかな)
昔から人見知りでびびり癖があって、さらには赤面症な僕は人付き合いがものすごく苦手です。
そのせいで入学から半年もたっているのに未だ友達がいないんだ。
(あ、何か悲しくなってきちゃった、)
だんだんと目頭が熱くなってきて、視界がぼんやりと歪む。
慌てて席から立ち上がり、持っていたメロンパンを無理やり口に含んで教室を後にする。
(変なふうに思われたかも)
いまさらながら自分のしたことに後悔しながら、中庭に言って気持ちを落ち着けようと足を運ぶ。
中庭は人通りも少なくて考え事なんかをするときは丁度いいんだ。
そんな事を考えていると、廊下の曲がり角で思いっきり誰かとぶつかってしまった。
「わわっ・・・!」
「おっと、だいじょ・・!?」
「!?」
ぶつかった反動で尻餅をついてしまった。結構な痛みがお尻を襲いながらも、とにかく謝らないと!と思いながら顔をあげた。
「って、副会長!?会長もいる・・・!」
僕がぶつかった相手はなんとあの副会長さま。学園の人気者で、親衛隊なんかも居るんだとか・・・。
その副会長とぶつかったなんて、ぼ、僕・・・ころされる!
短かった16年間。
どうやら僕の人生は終わってしまったようです。
クラスの皆ともっとお話しておけばよかったな・・・。
◎