なぜこんなにも、



小動物平凡総受け






僕のクラスには生徒会や風紀委員会などの学園の人気者に負けないほどの、むしろそれ以上の人気を誇る一人の男がいる。

決して容姿が群を抜いて整っているわけでもなく、これといって特徴のないどこにでも居るような彼に、学園の皆ははまりにはまりきっているのだった。





彼の名前は山内千春。
平均より幾分も小さい身長に、栗色のふわふわな髪。透き通るような白い肌にほんわりと色付く赤い頬がよく映える。少し大きめな奥二重の瞳に小さくて控えめな鼻。ぽってりとした唇は鮮やかなピンク色に染まっている。
運動は苦手らしく別段太っているという訳ではないが、ふにふにとしていて柔らかそうな体。
人見知りの性格からか話し掛けると情けなく眉が下がり、ぷるぷると震えだしてしまうその姿はまさに小動物。

そう、彼の人気はその可愛らしい小動物のような雰囲気からきているのだ。



「あ、見て見て!千春くんメロンパン食べてる」
「可愛い〜!頬っぺたいっぱいになるまで詰めちゃってる!ハムスターみたい」
「両手でパンを持つ姿なんてまさにハムスターだよね。ああー、家に一匹ほしい」


こうした昼食時も、クラスの皆は食堂まで足を運ばず自分の席でもそもそとパンを食べる山内君を見守っている。
あくまでも見守るのであって、誰も山内君に近付くこともなければ大きな声で噂することもない。

何故なら彼は小動物。

外部からの刺激に弱い彼は、大事に大事に接しないといけないでしょう?
もちろんそれは山内君を見守るにあたって暗黙のルールであり、もしもそれを破って山内君に危害を加えよう者がいるのならば「千春君を見守り隊」の皆様からキツいお仕置きが下るのも、また暗黙のルールなのだった。


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