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腕の中からマイクを取り出し、校内放送のスイッチをオンにする。
俺の左腕に内蔵されている放送機器は校内の全スピーカーと繋がっているため、どこにいても放送をかけることができるのだ。
もちろん場所指定も可能である。


「斎藤先生、斎藤先生。事務室より緊急の連絡が入っています。大至急事務室までお越しください。斎藤先生、斎藤先生。事務室より緊急の連絡が入っています。大至急事務室までお越しください。」


この放送はもし学園内に不審者が進入した場合に流される放送で、入学してすぐの防犯訓練にて教えられたものだ。
これが流れた場合、生徒たちはすぐに近くの教室へと入り、窓と扉の施錠をするように教育してある。

もちろんこの学園に斎藤、などという教師はいない。


放送を流した後すぐにマイクを腕にしまい、ノイズの走っているモニターの修理を行う。
とは言え、俺の脳内は非常にハイスペックなため、修理に時間はかからない。

おそらくジャックされていたであろうモニターを直し、回復したモニターから怪しい人影を探す。
それにしてもこの学園のモニターをジャックするとは、侵入者はそれなに厄介な相手かもしれない。
まあ学園に入り込んだ時点で彼らに勝ち目はないのだけれど。


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