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けたたましい警告音に、俺は慌てて右耳に指を突っ込んだ。というのも俺の右耳にはエマージェンシーコールなどの警告音を停止、または起動させるスイッチがあるのだ。

博士が組織っぽくて格好いい!と言って付けたエマージェンシーコールだが、実際のところ邪魔なだけだ。
こうして危険を生徒全体に伝えることはもちろん大事だが、大きな混乱を呼びかねない。さらに言えば、不審者がヒートアップする可能性が非常に高まるからだ。

一瞬ざわついた食堂内だったが、俺が瞬時に停止したことにより元のざわつきに戻りつつある。
そのことに俺は一息つきながらも、目の前の席で目を丸くしている生徒会長に声をかけた。


「突然だが学園内に侵入者が現れたらしい。悪いが食堂内に居る生徒を厨房側に集め、出入口を全て閉鎖して事が終わるまで待機していてくれないか」
「は、え、つーかお前、今腹からサイレンが・・・・」
「今は説明している時間がない。食堂以外の教室には俺が非常時用の放送を流しておくから、ここは任せたぞ」


何か言いたげな会長を余所に、制服の袖を捲りあげ腕に付いている蓋をあけた。
瞬間、隣の席の会計が飲んでいたお茶を吹いていたが、それに構っている暇はないのだ。


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