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「あーっ、また衛飲み物だけかよー!」

食事をする、とはいえロボットの俺は普通の食事をとることができない。俺の食事は専らオイルだ。
カズはオイルを飲み物と勘違いしているらしいが、それでも俺の体調を心配してくれているのは事実だ。良い友を持った。

俺がロボットなことを知る人物はあまり居ない。
別に隠しているわけではないが、特に異常事態が起こることもないので俺のロボットらしい動きを見せる時がないのだ。
強いて言うならば、表情のパターンが3つしかないことが唯一披露しているロボットらしさだろうか。

平和すぎて自分の存在意義を疑問に思ったこともあるが、こうして邪険に扱われながらも普通の人間として共に過ごしているのも悪くない。
そう考えてしまうのはロボットとしていけないことなのだろうか。
ただ、今こうしていられることが、幸せということなのだと思う。

そんなことを思いながらオイルを啜っていると、突然監視カメラにノイズが走った。
俺の脳は学園内に設置されている62個の監視カメラとリンクしているため、常に学園の様子がモニターのように脳内に表示されている。その中の一つにノイズが生じることなら機械の故障などであったが、これまでで全てのカメラにノイズが走るなど初めての経験だ。

ただ事ではないと慌てて席を立つと、途端に俺の内部にあるエマージェンシーコールが食堂内に響き渡った。

「緊急事態発生!緊急事態発生!学園内に侵入者発見!生徒はその場の戸締まりを確認し指示があるまで動かないように!緊急事態発生!緊急事態発生!学園内に・・・・」



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