最終兵器「俺」



大企業の御曹子や貴族のご子息を預かっているこの学園では、セキュリティに莫大な資金を投下している。
もしも生徒になにかあった場合、それ以上の賠償金を請求されることになるのだから。
が、何もセキュリティ対策にだけ金を使うわけではない。施設改築や空調設備、部活動への支援を含む様々な資金が必要になるわけで、セキュリティにばかり多大な額を注ぎ込む訳にはいかない。

そこで考えたのが、対不審者用セキュリティロボの発明である。
一見学園の生徒だが、対不審者用のセキュリティ機能と軍に匹敵するほどの戦闘機能を兼ね備えたロボット。

そして俺がその対不審者用セキュリティロボ、高内衛(こうないまもる)なのである。





「カズ、俺の隣来いよ」
「なにを言ってるんですか?カズは僕の隣でしょう」
「え〜俺の隣に決まってるじゃんね〜」
「カズ、おれの・・・・」
「もーっ!俺は衛の隣に座るんだってば!」

ああ、今日も今日とて学園はたいへん平和である。
学園を守るために造られたセキュリティロボとはいえ、誰か不審な人物が侵入したりしない限り俺は至って平凡な生徒なのだ。
こうして同じクラスの友人とそのまた友人たちと食事をとることも稀ではない。

ただ、どうやら同じクラスの友人、カズの友達たちはカズに好意を寄せているらしく、彼らにとって俺は邪魔者らしい。
詳しい感情についてはロボなのであまり良く分からないが。


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