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「おい学!居るんだろ、一緒に飯行こうぜ!!!」


あーあーあーあー、そんなに乱暴にノックしたら扉傷付くって。ノックっていうよりむしろ殴ってるけどね。拳大丈夫?

ガンガン扉を痛め付けながらご飯誘うって、それどこの変質者?

騒音の間からちょいちょい信者たちの「もう行こうぜ」だのなんだの聞こえるんだけど、王道くんってば総無視。可哀想すぎてまじ憐れ。ちょっとは返事してあげなさいよって。


ここで1つ言いたいこと。
俺は別に王道くんのことが嫌いな訳じゃないのよ。寧ろ愛想のない俺に構ってくれるとか超優しい。マジ神。

たださ、部屋見られたくないのよ。俺。

いやいや、だってさ、俺ってば部屋で女装して写真撮ってブログにアップしてる訳じゃん。さすがに女装グッズは無駄にでかいクローゼットの中に仕舞ってるからそこは平気なんだけど、部屋がさ、ちょうメルヘンな訳。

何つうか、マジ姫。

だってマナちゃんは超可愛い絶世の美少女かつ気さくに話せる近寄り易いスーパーガールなのよ?そんなマナちゃんの部屋が男っぽい訳ないじゃん?絶対可愛いじゃん?俺ってば結構やりだしたらこだわっちゃうタイプだから、部屋だって極めたいじゃん?

だからベッドなんて無駄にキングサイズで真っ白なシーツに薄ピンクと茶色のドット柄の掛け布団だし天外だってついてるし、至るところに超可愛いぬいぐるみ置いてあるし、棚の上に置いてある小物とかいちいち可愛すぎだし、アロマとか焚いちゃってるし、とりあえず可愛すぎてやばい訳よ。マジ姫。マジプリンセスルーム。

そんな部屋に住んでるのが俺。


別にマナちゃんの正体が実は俺でした、っていうのがバレるとかそういう心配は全然してない。だってこんなお坊っちゃま校の人たちがネットアイドルなんて知ってる訳ないじゃん。

たださ、こんな部屋見られたら俺学園に居づらいじゃん。さすがの俺だって気まずいじゃん。


それなのに王道くんってばあろうことか信者を引き連れて扉をぶち破ろうとしてくんのよ?さすがに勘弁。




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