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いつも通り幼馴染みでもある副会長と校内の探索に向かっていたところで、俺に思いもしない出来事が降りかかってきたのである。

丁度廊下の角を曲がったとき、たまたま内側を歩いていた副会長とちびっこい身長の生徒がぶつかったのだ。


「わわっ・・・!」
「おっと、だいじょ・・!?」
「!?」


ぶつかった生徒は見事に尻餅を付いたが、俺はその光景を副会長の横でただただ目の前で打った尻を擦る生徒を唖然とした表情で見ることしかできなかった。
それは副会長にも言えることで。

まさか、まさか、
まさかこんなところで・・・!


今この瞬間がまるで夢のように感じられ、じっとりと汗ばんでいる手のひらにぎゅっと爪を立ててみた。

・・・・・ああ、痛い。これは夢じゃないんだ。


そんな馬鹿みたいなことを考えていると、目の前の生徒が慌てた様子で顔をあげ、俺達の姿を視界に入れた瞬間顔色を変えた。

「って、副会長!?会長もいる・・・!」

白くて柔らかそうな指で俺達を指し、驚愕に顔を歪めるその少年、いや、・・・・山内千春こと千春たんに俺の心臓は破裂寸前だった。

少し大きめな真ん丸い目にうっすらと涙を浮かべ、震える指先でぽってりとした桃色の唇を触る仕草なんて、ああ!可愛すぎる!!


「あ、ああああのっ!」


千春たんの可愛さに倒れそうになっていると、千春たんは地面に座り込んだままぷるぷると震えながら話しかけてきた。

どもってる姿も可愛すぎる。

「あの、あのっ!ご、ごめんなさい・・・・っ!!」
「えっ?!」

千春たんは勢いよく地面に額を擦り付け、軽く吃りながらも大きな声で謝った。

俺はその行動さえも余りの可愛さに弾けそうになったが、謝られた副会長は困りに困りきっている。


ま、それもそうだろう。


・・・何せ俺達は「千春君を見守り隊」の平隊員なのだから。

本来なら話しかけることも許されない。


かつては学園中の生徒たちの憧れの的だった俺達の溺愛する人物に土下座されたんだから、そりゃあ副会長だって困るわな。

まんがいちこんな姿を隊長に見られちまったときなんて・・・・ああ、考えるだけで恐ろしい。




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