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カグヤンに抱きつかれながらもボンヤリと生徒会ご一行を眺めていると、生徒会の皆さんがある生徒の方へ足を進めていることに気が付いた。


「ねぇねぇカグヤン、あれがカグヤンの言ってた面白いもの?」
「ん〜?あっ、そうそう!あれのことだよお」


視線の先にはもじゃもじゃの黒髪に牛乳ビンの底のように厚いメガネをかけた、いかにもな変装ルックスな小柄な少年。そしてそれを囲むようにして立っている生徒会の皆様。

・・・何コレ面白そう!!


案の定食堂に居た生徒たちは変装少年に気をとられてるみたい。
くいっ、とカグヤンの腕を引いて、僕は生徒会と変装少年の会話が聞こえるところまで移動することにした。



*



「はっ、何だ鈴哉。お前いつから下手物食いになった」
「うるさいよ尚。豊の良さは僕だけが知ってればいいんだ」
「ふぅん・・・副会長がそこまで言うくらいだから、実は物凄い名器とか?」
「雪成、品がないぞ」
「一仁の言う通りだよ。僕の豊で変な想像しないでよね」
「ちょ、さっきから俺を置いて話進めてんじゃねー!大体人を見た目で判断するなんて最低だ!」



わあわあと騒ぐ変装少年とそれを取り囲みながら話す生徒会連中。

何というカオス!


「く、ふふふっ!面白すぎでしょ!なにあれ!」
「アヤヤ声大きい〜っ!」
「あ、ごめんっ」


ぱっ、と両手で口を押さえるも、どんどんと笑いが込み上げてくる。

だってだってだって!


一人の少年にあの生徒会連中がわざわざ食堂までやってきて、こんな見せ付けるようにお話してるんだよ?絶対あの子制裁されるよねぇ。副会長ったらあの子のことが好きみたいなのに、そんなことも考えられないのかなぁ?

あの子はあの子で、馬鹿みたいに大声で騒いじゃうし。



すごく滑稽で面白いっ



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