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後ろから迫ってくる城戸センパイの足音を聞きながら、これからどうしたもんかと首を傾げる。

うーん、前には春ちゃん後ろには城戸センパイ。逃げるといったら・・・横?
横といえば窓が並んでいて、ちょうどここ二階だし、下は裏庭だから障害物もないし、行けるかな?行けるよね?


うん、行けるね!



「さらば風紀委員共よ!」

「ちょっ」
「なっ!?」



ぱちん、と春ちゃんの前で手を叩き、きょとんとしている間に窓目がけて走りよる。そしてそのままぁ・・・ダイブ!



「雨竜綾斗ぉぉぉおおお!!」


城戸センパイの絶叫を聞きながら、ダンッ!という鈍い音を響かせて裏庭へと着地する。いやぁ、人間やろうと思えば二階からダイブするくらい、なんてことないですなぁ!

まぁ多少足は痺れるけど。
ていうか城戸センパイ、僕の名前しか口に出してなくない?どんだけ僕のこと好きなのかしら。ふはは!



足の痺れを振り払い、くるりと二階の窓に目を向ける。案の定そこには身を乗り出さんばかりに僕を睨む城戸センパイと、ほんわかとした笑みを浮かべる春ちゃんが居た。

そんな対照的な二人にくすりと笑い、ヒラヒラと手を振った。




「次は頑張って、僕を捕まえてね?」
「う、雨竜綾斗ぉぉぉおおおおお!!!」





ほんとそれしか言わないんだから・・・。




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