ともだち
ふにゃ、と頬の筋肉を弛ませれば何故かお友達さんたちは目をまん丸にさせて、塁にいはニヤニヤしながら携帯を構えてた。
こ、怖いんですけど?!
固まってしまったお友達さんと塁にいの顔を行ったり来たりさせてると、背の低い方のお友達さんがガバッと抱き付いてきた。
「え、わわ・・・!」
「かーわーいーいー!!何この子!めちゃくちゃ可愛いんですけど!」
「うぐ、苦しい!」
ぎゅうぎゅうと強く抱き締められて、何だかお腹のものが出てきちゃいそう。ていうか多分出る。
出ちゃいけないモノが出ちゃいそうになっていると、突然視界が高くなって体への締め付けが消えていった。
・・・あれ?
「ちょっと梓!弟くん返しなよー」
「・・・・だめ」
「駄目って何さ!」
「え、え、えええ・・・」
ど、どうやら俺は今背の高い方のお友達さんに抱き抱えられてるらしいです!
苦しいのはなくなったんだけど、足が地面に付いてないと何だか落ち着かないなー
ていうか抱き抱える必要ってあるのかな?
「テメェらその辺にしとけよ。唯が困ってんだろーが」
「え、あ!ごめんね唯くーん!」
「・・・・すまない」
「え、や、全然大丈夫です!でも降ろして欲しいかな、なんて・・・」
控えめにそう言うと背の高い方のお友達さんは俺をそーっと地面に降ろしてくれた。
なんだか手付きがものすごい優しいんですけど!
◎