俺、お疲れ




先生の理不尽さに唇を尖らせつつも、のそのそと自分の席へと足を進めた。

その間もバンバン視線を感じてるし、ほんと勘弁!



「・・・唯、お疲れ」
「龍太ぁ・・・!」

丁度龍太と修吾の前を横切ろうとしたとき、龍太がほんの少しだけ口角を上げながらそう言ってくれた。

ううっ、何という癒し!
龍太って顔は先生並に怖いけど俺的にかなりの癒し系かも。何か犬っぽいし!
ていうか隣で腹抱えながらぷるぷるしてる修吾が居るから癒し系に見えるのかも・・・。

修吾に癒し要素まったくないもんな!



カタン、と小さく音を立てながら席に着くと、それを待っていたかのように先生が話しだした。


「あー、今日はこれで解散だが、明日からは普通に授業あっからな。授業初日くらいは出席しろよテメェら。ちなみに俺の授業サボりやがったらマジでしばくぞコラ」

どす効かせながら言う先生にたらりと冷や汗が垂れる。
いや、俺はサボる予定はないけどね!?とりあえず怖いんですもの!


ぶるるっ、と身震いしたところで丁度チャイムが鳴り始め、それを合図に次々と生徒が帰っていく。

俺もそれに便乗して帰ろうとしたところで修吾に声を掛けられた。


「ゆーいっ、これからどっか行かね?あ、健一も」
「おい!何だそのついでみたいなノリ!健一くんは傷付いたぞ!」
「・・・・気色わりぃ」
「さすがの俺も引いたわ」


そそそっ、と健一から距離を置く龍太と修吾を見て笑ったあと、俺は眉を下げながら言った。


「うー、ごめんけど俺今日用事あるんだよー」
「マジか!やっべぇ!」
「いや、別にやばくはないでしょーに」
「・・・健一うるさいぞ」
「えぇ・・・、何この扱い!」

ひどいひどい!と騒ぐ健一を放っておいて、俺は修吾と龍太の頬っぺたに唇を寄せた。


「ごめんな?また誘って!」
「っ!やっべーよ、唯!!マジ可愛いんですけどー!」
「え、ちょ!?」



両手を開きながら飛び掛かってくる修吾に避けることも出来ないでいると、龍太が俺の手を引いてくれた。さすが龍太!

「・・・平気か?」
「うん、ありがとー!修吾に潰されるとこだった」
「違いますー、抱きつこうとしたんですー!」


ぶうぶうと唇を尖らせる修吾が何だか可愛く見えて、修吾の尖った唇を指で摘んでみた。


「むっ!?」
「あはは!修吾可愛い!」


唇を掴まれたことに驚いたのか目を丸くさせる修吾が面白くて顔を綻ばせると、修吾の顔は火が点いたように赤くなった。

何か修吾可愛いなぁ




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