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とりあえず謝ろうと唇を離し、唖然としている男に向かってパチンと両手を合わせた。




「ごめんなさいっ!俺、寝呆けててちゅうしちゃった!」




そう言ってチラリと男の様子を伺うも、彼はさっきと同じような表情で隣に立っている、これまた唖然としている男に話し掛けていた。





「ちょ、今の見た?やばくね?マジでやばくね?」
「どっちを?笑顔?キス?」
「どっちもっ!!」
「ああ、やばいな・・・。いろんな意味で」




ボソボソと喋っている二人に、俺は情けなく眉を下げた。

そ、そんなに嫌だったのか!




「あ、あの!ほんとにごめんね?もうしないから・・・」
「え?しないの?マジで?」
「え?」





いきなり顔をこっちに向けた男に少しびっくりする。

え、っていうか今なんて?




「ねねね、名前何て言うの?俺ぇ〜松山修吾!んでこっちが・・・」
「桐山龍太だ」
「え、え?あ、俺は鈴木唯です・・・。え、てか、え?」





何か変な展開に焦りまくりの俺です。だって俺、寝呆けてちゅうしたんだよ!?意識のないときにそんなことするなんて、失礼にも程があるよね!

しかもこの二人良く見たらチャラ男と不良さんだし!いやアキコーに普通の人を求める方が可笑しいんだけど!





「唯とかやばくね?可愛くね?まじぱねぇし〜!」
「落ち着け」




やけにフレンドリーな二人にはてなマークが頭に浮かぶ。





「あのっ!お、怒ってないの・・・?」
「え?何で?」
「だ、だって俺寝呆けてちゅうしちゃったんだよ!?」
「別に〜?男にされたのは初めてだけど、唯可愛いし?まじやばいみたいな?」




何がやばいのかさっぱり分かんないけど、とりあえず怒ってないみたいだ。

俺は堪らなく嬉しくなって、がたりと椅子から立ち上がると、きょとんとした表情の修吾に唇を寄せた。




「えへへ、ありがと!」
「っ、(笑顔可愛すぎ!まじヤバイでしょ〜!)」



顔を赤らめてボンヤリしている修吾を置いて、立ち尽くしている龍太にも唇を寄せる。

背が高いから爪先立ちで!




「とりあえず、お近づきのしるし?」
「っ!・・・おぅ、」




ふいっと顔を反らした龍太の顔は、やけに赤く見えたのは気のせいということにしてやろう!








鈴木唯、早速二人友達が出来ましたぁ!





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