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S*side



髪の毛を弄りながら、俺はあることを思いついた。


「俺ぇ〜今日いいもの持ってるんだよねぇ」
「あ?」
「ジャジャーンっ!どうよコレ!まじやばくね!?」



ゴソゴソと鞄の中から取り出したもの、それは―・・・



「ね、こみみ・・・?」
「せーかい!今日ユミちゃんとコスプレエッチしようと思って持ってきたんだけど、どたキャンされちゃったわけぇ!だからこの子に着けてあげちゃお〜みたいな?まじナイスじゃね?」
「・・・修吾ってそういうの好きだったな・・・」




隣でため息を吐くリュウを尻目に、白いほわほわの猫耳をそっと着ける。

今起きられたらミッション失敗だから、あくまでもそ〜っとね?





「うはっ!やべぇ!チョー可愛くね!?マジうけるんですけど!」
「・・・」




リュウが引いてるけどそんなの無視で俺は騒ぎまくる。テンションが上がりすぎて写メを撮ろうとした時、ソイツは動き出した。




「ん、・・・むぅ・・・」
「やっべ、起こした」
「・・・あんだけ騒げばな」




またもやため息を吐くリュウをじろりと睨み、またソイツに顔を向ける。

目が覚めたコイツは一体、どんな反応をするんだろう。



ワクワクしながら見つめていると、ソイツはのそりと顔を上げにっこりと微笑んだ。


「・・・っ!?」



平凡な顔立ちのソイツの笑顔は、驚くほど可愛かった。チラリと覗く八重歯にゆるりとさがった目尻。

余りの可愛さに目を奪われていると、唇に柔らかい触感。



視界いっぱいに広がるソイツの顔。







俺、今、キスされてね?







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