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可愛らしいリップ音を響かせ唇を離して先生を見ると、見事に涙が治まってました。

あ、顔赤くなってきた。




「なななな、なにをっ!!?」
「なにって・・・ちゅう」
「何でキスするのっ!!!」
「泣いてる子を泣き止ますには普通にちゅうじゃないの?」
「(何という天然タラシ!)」



俺が泣くと兄ちゃんがちゅうしてくれてたし、普通そういうもんでしょ?

何か可哀相なモノを見るような目で見られてる気がするけど、何なの?ちょっとやな感じっ!




って、本来の目的忘れてたー!




「せんせっ!俺のクラス教えてください!」
「・・・えぇっ!?」






少しの間を置いて驚く先生に理由を話す。そしたら途中で入学式に参加して変に目を付けられても困るからって、特別にクラスを教えてくれた。

ちなみに俺は二組です!





「それじゃあ先生、ありがとうございましたっ!また遊びにくるね?」
「うん、いつでもおいで。虐められたら俺に言って!・・・力になれないかもだけど」



そう言って肩を落とす先生にくすりと笑いながら、頬っぺたに唇を寄せる。

真っ赤になって頬を押さえる先生が可笑しくて、堪らず笑いだすと先生はさらに顔を赤くした。



そんな先生に軽く手を振って、俺は教室へと足を向けたのだった。





「(あの笑顔はだめでしょう!)」



職員室に残された先生がそんなことを考えているなんて知らずに。




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