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整えたことによっていい感じのふんわり加減になったところで、俺はハッとして時計に目を向けた。


「ひぃっ!9時25分・・・!!」


やばいやばいやばい!これは完璧遅刻決定じゃんっ!

俺は慌てて二階に置いてあった鞄をひっ掴んで階段を駆け下り、バタバタと音を立てて玄関へと向かった。


「唯く〜ん!ご飯は〜?」
「いらないっ!いってきまーす!!」


後ろから母さんの声が聞こえた気がしたけど、何て言ったか分からなかったので気にせず外へ飛び出した。玄関の直ぐ側に置いてあるチャリに鍵を差し込んで、勢いよく漕ぎ始める。



勢い良く、とは言ったものの。
俺は自他共に認める極度の運動音痴なためフラフラとした蛇行運転で、もちろんスピードなんて出せるはずがない。ここだけの話チャリに乗れるようになったのもつい最近だったりする・・・。

恥ずかしいから誰にも言わないけど!





とにかく俺の全身全霊を尽くして出来る限り速く漕ごうと必死にペダルを踏み、今日から通うことになる秋晴男子高等学校、通称「アキコー」へと進むのだった。






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