大急ぎで寝間着のスウェットを脱ぎ捨て、真新しい制服に身を包む。
俺はブレザーにせよ何にせよ上着を羽織るのは嫌いなので、変わりにクリーム色のカーディガンに腕を通す。これから背が大きくなることを信じてサイズは少し大きめだ。
制服に身を包み終われば鞄を手に持ってドタバタと階段を降りる。
「唯くんうるさいよ〜?階段は静かに降りなさいっ!」
「あ、ごめ・・・んじゃない!!何で起こしてくれなかったのさー!」
階段を降りればキッチンで皿を洗っていた母さんに注意をされる。息子が入学式に遅れそうだというのに、何でこんなにのんびりしてるんだよー!
「起こしたけど起きなかったんだもんっ」
「だもんっ、じゃないよー!」
◎