朝起きたら玄関のドアノブにチョコの入ったビニール袋がかかっていた。

朝学校へ着いたら下駄箱の中に大量のチョコが詰まっていた。

朝教室へ入ったら机の中にぎっしりとチョコが詰まっていた上に、さらに机の上にまで積み重なっていた。


「・・・何なんだ今日は!厄日か!!」
「今日はバレンタインだよー」
「うお!?」


いきなり後ろから抱き込まれ耳元で囁きられ、情けなくも声を上げる。
慌てて後ろの人物を振り払い確認すると、そこに居たのは当然の如くストーカー変態野郎の凌空だった。


「びびらせてんじゃねぇよ」
「ははっ!悠くんってば可愛いな〜」
「うざいキモい死ねば?」
「辛辣!」


傷付いた!と言いながら顔を覆い隠す凌空の頭を軽く叩きながらも、俺は疑問に思ったことを口にする。


「バレンタインなのは知ってんだよ。・・・問題なのは何で俺みてぇな奴にこんな大量に贈られてくるかってこと」
「え、知らないの?悠くんって親衛隊あるんだよー」
「・・・は?」
「ちなみに隊長と副隊長は前生徒会長親衛隊幹部の三人ね」


凌空に言われて何となくだが会長の親衛隊の奴らに絡まれたときのことを思い出した。
・・・いやでもあの時結構酷いこと言ったはずなんだが。

まぁいい。


「だからって何でこんなに大量にあるんだよ」
「元は超小規模だったんだけどさ、悠くんってばドMの生徒たちから絶大な人気を誇ってるんだもん。そりゃあ規模もでかくなるよな」
「・・・・・」


・・・何と言ったらいいんだろうか。別に慕われるのは嫌じゃねぇけど、それがMとかいう変わった性癖の奴らからだと思うと何とも複雑だ。

顎に手を当ててウンウンと唸っていると、凌空が俺の手を取りキラキラとした輝かしい瞳で俺を見つめてきた。


「それより悠くんっ!何か俺にあげるものがあるんじゃないの〜?」
「・・・・あ?」



- 2 -
prev next



TOP
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -