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クリスマスの悪夢
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街中が華やかに彩られ、辺りがいつもと違う賑やかさに溢れているこの日。
兎丸家にも当然の如くクリスマスが訪れているわけで・・・。
「オラ、悠介〜!七面鳥だぜ?テレビで見たことあるだろ」
「ちょ、ママ!言葉遣いが汚いよ、悠ちゃんが真似しちゃう」
「・・・・・」
派手な赤い髪を豪快に盛った少し釣り上がった目をした女性は、丸々とした七面鳥を持って嬉しそうに我が子へと押しつけている。
その隣でスキンヘッドのいかつい男性が慌てた様子で女性の言葉遣いを注意した。
その様子をぼんやりとした目で見つめているのは、そう。
我らが女王、兎丸悠介(小学一年生)である。
悠介は机に並べられた豪華な食事をぼんやりと見つめ、ちらりと母親に目を向ける。
「うちってぶっきょうじゃないの?」
「・・・・」
「・・・・」
舌足らずな可愛らしい喋り方とは裏腹に、悠介の口から飛び出した言葉に両親共々口を開いたまま動きを止めてしまう。
が、それも束の間。
ハッとした父親は慌てて悠介の頭を撫でると、諭すように言い聞かせた。
「たしかに我が家は仏教だけどね、クリスマスにそんなの関係ないんだよ。皆で美味しいものを食べて、一緒にゲームして、それだけで心がぽかぽかになるでしょう?だから、宗教なんて関係ないの」
「でもきりすとのたんじょうびになんでばかみたいにさわがないとダメなの?」
「・・・・」
ぼんやりと父親の話を聞いていた悠介は、疑問に思ったことを口からポロリとこぼす。
それにはさすがの父親も困り顔。
そんなとき、今まで黙っていた母親が大きな音を立てて椅子から立ち上がった。
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