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「散々好き勝手ケツ弄ってくれたなぁ・・・ああ?」
縛られていた手を漸く解放され、コキコキと手首を鳴らしながら不知火を床に押し倒す。
不知火は期待に目を潤ませたまま、されるがままに何も喋らない。
その態度に腹を立てた俺は、力一杯不知火の髪を掴み顔を近付けた。
「いっ!」
「何か言えよ。今度俺の問い掛けに無言で返したらただじゃおかねぇ」
額同士をコツリと当ててそう言えば、不知火は蚊の鳴くような声で「わりぃ」と小さく謝った。
それが俺の体を散々弄ったことに対してなのか、俺の言葉に返事を返さなかったからなのかは分らないが、不知火の目は依然として期待に満ち溢れたままだった。
「・・・期待した目で見てんじゃねぇぞ」
「ぐっ、あぁ・・・っ」
不知火の期待じみた目がやけに癇に触ったので、逞しい胸筋に飾りのように付いている乳首をギュッ、と捻った。
「い、あっ・・・く、」
痛みに睫毛を震わせている不知火を見て、俺は何故か堪らなく興奮した。
学園で一番恐れられているあの不良が、今、俺の手の中で泣きそうになりながら痛みに感じているのだ。
ぶるりと背筋が震え、俺は小さく舌舐めずりをした。
「痛いのがキモチイイだなんて、とんだマゾ野郎だな。学園一の不良さんの性癖知ったら皆どう思うんだろーなぁ?」
「んく、ふ、あ・・・っ」
「あ、今学園の奴らから批難されるとこ想像しただろ。チンポびくってなったぜ」
ああ、まさかこんな時に自分の性癖に気が付いてしまうなんて。
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