4











「・・・・・美味い」
「ハッ、そりゃどーも。っつってもカレー何て誰が作っても似たようなモンだろ」
「いや・・・うまい・・・」
「そればっかだな。ま、おかわりあっから食いたかったら自分で注いで来い」
「・・・おう」





作り終えたカレーを口にした不知火と俺の会話なんだが、なんだこの甘い空気は。
いや、そう思っているのは俺だけか?でも明らかに甘いだろ。・・・俺こいつの事嫌いなはずだったんだが、やっぱり犬に弱いのか?

俺にそんな弱点があるとは思わなかったが・・・。




カレーを口にしながらそんなことを考えていると、不意に不知火が眉間にシワを寄せながら聞いてきた。





「お前は・・・本当に流星のことが嫌いなのか?つぅか俺のことも嫌いだったんじゃねぇの?」
「あ?そんな事聞くだけの為に体冷やしてまで待ってたのかよ。・・・まぁ転校生は顔も見たくねぇほど嫌いだな。ホントは喋りたくもなかったんだが、あの場合は仕方ねぇだろ。んで、不知火は・・・」




そこで一旦言葉を止め、不知火の顔をちらりと見る。


・・・なんで、





「何でそんな捨てられた子犬みてぇな顔してんだよ」
「・・・・はぁ!?してねーし!!」



いや、してたって。
今の顔は完全に捨てられた、もしくは捨てられそうになっている子犬の顔だったな。




「安心しろよ。確かにテメェの事は嫌いだったが、どうやら俺は犬に甘いみてぇでな。今は別に嫌いじゃねぇよ」
「そうかよ・・・・、って別に不安がってねーし!つぅか俺犬じゃねーし!!」
「ハッ!吠えんな吠えんな」
「テメェ・・・」





ギリギリと睨み付けてくる不知火を鼻で笑えば、さらに苛立ったように眉間にシワを寄せる。そんなにシワばっか寄せてたらジジイになった時痕になるぜ。

とは思ったが、それを口に出すとまた吠えそうだったので止めておく。





「つぅか、マジでそれ聞く為だけに来たのかよ」
「・・・・ちげぇよ」
「ああ?じゃあ何だよ」









「俺を・・・・殴ってくれ」











・・・は?





prev next


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -