口の中が鉄臭い。隣で転校生がキャンキャン喚いているがどうでもいい。会長がニヤリと笑っていたことも興味ない。
たださ、これって・・・
「正当防衛だから」
「は?」
ぼそりとそう言った後に、不知火の頭を両手で挟んでガツンと一発。
頭突きって自分もいてぇからあんま好きじゃねぇんだけど、俺石頭だからぜってぇ痛いよ。
その証拠にほら、手ぇ離れてるし?
転校生共の方に視線をやると、やっぱり唖然とした表情で俺を凝視してる。
反応にバリエーションのねぇ奴らだこと。
「て、めぇ・・・やりやがったな!」
「あ?テメェが先に殴ったんだろーが。俺のは正当防衛だし」
「っ、舐めんな!」
そう言って殴りかかってきた不知火をヒョイッと避けて、くるりと体を反転させながら思い切り蹴飛ばした。
「ぐっ!」
情けない声を上げてよろける不知火に、何の技をかけてやろうかなんて考えていると、転校生がまた騒ぎだした。
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