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ぼんやりと俺の身体を見つめていたゴリラにそう言うと、ゴリラは何事かと目を瞬かせた。
そんなゴリラを喉の奥でくつりと笑えば、ゴリラは火が付いたように顔を赤くさせた。馬鹿にされて怒ったのか?まぁ何にせよ、男の赤面ほどきめぇもんはねぇな。



少し遠くに居るゴリラ目掛けて走り出す俺。ここに来て漸く焦り出し構えるゴリラ。でも、もう遅い。





俺は勢いよく地面を蹴り上げ、地面と平行になるように両足を揃えてゴリラを蹴り飛ばした。







「がっ、うぐあ!!」
「ふはっ、さすが俺。ナイスドロップキック」







地面にうずくまるゴリラを尻目に、俺は立ち上がって体に付いた土を払う。
ある程度払い終わると、影で固まって居るチワワ共に目を向けた。






「ひぃっ!」







目が合った途端に身体をびくつかせて怯えるチワワ。大きな瞳には今にもこぼれ落ちそうな涙の膜。・・・何か俺が悪いみてぇじゃね?

つぅか俺、弱い者イジメとか趣味じゃねぇんだよなぁ・・・。まぁやられたら殺り返すけど?





「・・・テメェらに一言物申す」
「ひいぃっ!!!」





チワワの前に座り込み目線を合わせて話し出す俺。そんなに怯えられると逆に傷つくんだけどな・・・。







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