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情けない声を上げながら顔を押さえるゴリラその4。俺は追い打ちをかけるようにゴリラその4に駆け寄り、相手の左足に自分の左足を掛け、右脇下に身体を潜り込ませ相手の頭をクラッチすると、そのまま捻りあげた。




「コブラツイスト〜」
「いだだだだだっ!!!ギブギブギブ!!」
「ふははは!もっと痛くしてやろうかぁ?ああん?」




ぺちぺちと俺の腕をタップするゴリラその4が可笑しくてそう言うと、何故かゴリラその4は顔を赤らめた。その反応が何か気持ち悪かったので、そのまま襟元を掴んで背中から投げ飛ばしてやった。



手のホコリを払いながら、立ち尽くしている最後のゴリラにちらりと視線をやる。






「お、お前・・・一体何者だよ!!!」






声を震わせながらも怒鳴るゴリラに唇の端を吊り上げて笑うと、一歩一歩ゴリラに向かって歩みを進める。それに伴ってゴリラも後方へと一歩一歩足を引きずった。






「俺が何者か、ねぇ・・・。お前さぁ、ヒール・・・まぁ悪役レスラーの東道リキヤとラビット小伊中って知ってるか?」
「は?・・・夫婦共にレスラーやってる奴らだろ?よくテレビで見るけど・・・それがどうしたって言うんだよ!!」
「あれ俺の両親」
「・・・は?」
「本名は兎丸力弥と兎丸雪絵。正真正銘俺の両親。あの野郎共俺にもプロレスやらせようと思ってるみたいでよぉ、小せぇ頃から技掛けられてたわけ。お陰様で体付きはこんなんだし、絡まれても今みてぇに何とかなるけどよぉ」





そう言って唖然とするゴリラとその後ろに隠れているチワワに、ワイシャツを捲って腹を見せる。するとゴリラとチワワは目を見開いて俺の腹を凝視した。


まぁ俺みてぇな平凡でひょろっこい奴が腹筋がくっきり六個に割れていたら、驚くよなぁ。あ、腹だけじゃなくて腕にも足にもちゃんとあるぜ?お陰で背は伸びねぇけどな!







「つぅわけで、優しい俺はテメェの疑問解決したってことで、もう寝ろ」
「え、は?」









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