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蛙は潰れたような声を上げて後ろに倒れるゴリラその1。
何をしたかって言うと、まぁあれだ。ラリアットってやつだ。相手の首や胸付近に自分の腕の内側を打ち当てる、あのラリアット。

ゴリラその1は倒れたときに地面で後頭部を打ってたから、多分今軽い脳震盪をおこしてるな。まぁ死にはしねぇから大丈夫だろう。




突然の俺の攻撃に唖然とするゴリラその2の背後に回り込み、姿勢を低くして相手の腰を両手でしっかりと抱き締めてそのまま反り投げるようにして地面に後頭部を叩き付ける。そしてブリッジの体制ままホールド。


あぁ、我ながら見事なジャーマンスープレックスホールド・・・。



生憎地面はコンクリートじゃねぇし、昨日の雨のお陰で地面は少し柔らかい。頭が切れる事はねぇだろうが・・・明日から数日はでっけぇコブが出来るだろうな。






「よくも田中と佐藤を!あんまいい気になるんじゃねーぞ!!」






見事なジャーマンにうっとりとしていると、ゴリラその3が俺目掛けて走りよって来た。つぅかアイツら田中と佐藤って言うんだってな。・・・すげぇどうでもいいけど。

そんなことを考えながらすぐ側まで来ていたゴリラその3の右脇下に俺の右腕を差し込み、ゴリラその3の勢いを利用して回転するように反り投げた。





「うぐぁ!」
「アームドラッグでしたっと」





受身も何もないまま地面に叩きつけられた背中と腰を庇うように、うねうねと動く姿はさながら・・・





「イモムシみてぇ」
「てめぇ!!調子に乗んじゃねーぞ!」





俺の呟きが頭にきたのか、ゴリラその4は力任せに腕を振るう。だが動きが大きすぎて軌道が読みやすいため、俺はゴリラその4の腕を易々と避け、そのまま相手の顔を手の平の下側で突き上げた。

所謂アッパー掌底だな。





「ぐあぁっ!!」











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