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「こんな平凡相手に起つかってーの。とりあえずぼこるべ」
「あ、分かってるだろうけど、顔は止めてよね?」
「もっちろん!姫の仰せのままに〜」




下品に笑うゴリラに、チワワも唇の端を吊り上げる。

ああもう、不愉快極まりない!



つーか姫ってなんだよ、姫って。こいつの何処が姫?ただのオカマだろ。男のくせに化粧とかマジで有り得ねぇから。





「ぼ〜っとしてんじゃねぇ、よっ!!」
「っ!」





そんなことを考えていると、突然腹部へと鈍い痛み。
チラリと見れば、予想通りゴリラの太い腕が。


腕の主へと視線を向けると、俺の視線な気付いたのかニヤリと笑って見せた。






――でも、








「く、ふはっ、ははははは!」
「っ!?」





ゴリラのどや顔に堪らず笑いだした俺に、その場にいた全員が目を見開いた。

それもそのはず、ここに呼び出されてから俺は一言も喋ってないし、表情も変えてない。

そんな俺がいきなり笑いだしたのだから、驚かない奴の方が有り得ねぇよなぁ?俺を殴ったゴリラに関しては、ビビって後退りしてやがるし?


それでも姫の前では格好を付けたいのか、ゴリラは俺に向かって怒鳴り散らしてきた。





「て、てめぇ何笑ってやがる!」
「はははっ!あ〜うける・・・っく、ふははは!」
「て、めぇ・・・!いい加減にしろよ!!!」




そう言って俺の左頬目がけて放たれた右ストレートを、俺はヒラリと避ける。

そのことに驚いたのか、ゴリラはアホみたいに口を開けて、俺を凝視していた。





「いい加減に、なんだって?」








俺、今までずっと耐えてきたし、そろそろ発散してもいいと思うわけ。




――さぁ、反撃と行こうか?






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