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「おら、流星自己紹介しろ」
「いてっ!も〜柚木せんせ頭叩くなよなー!」





担任の北川と共に入ってきた不潔そうな男。洗っているのかと疑いたくなるようなボサボサな黒髪に、瓶の底のように分厚い眼鏡。

そんな転校生に対して、容姿重視のここの奴らは当然の如く嫌悪感を顕にした。


「やだ、きも〜いっ」
「オタクじゃん!ありえない!」
「いやぁー!先生っ、そんなオタクに触らないでー!」
「ていうか今北川先生を呼び捨てにしなかった!?」



転校生への批判はその容姿にだけでなく、それ以上に北川に触れられ、あまつさえも北川の下の名前を呼んだことに対しても反感を買ったらしい。

北川はホストのような出で立ちをしているが、顔に関しては恐ろしく整っていたのだから。


この学園では美形な者には親衛隊がおり、気安く近付いたり抜け駆けしよう者が居たならば容赦なく制裁を行う、という気持ち悪い風習があるのだ。

無論この顔だけは整っている北川にも、親衛隊はあるわけで。




―あいつ、目ぇ付けられたな。




まあ俺には関係ないけど、そう思いながら開いていた参考書に目を通すと、転校生が大きな声で話しだした。





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