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「や、いやだ!やめろっ!」
「チッ・・・、暴れてんじゃねーぞ・・」


ベルトに手を掛けられた瞬間、足をばたつかせて暴れだす俺に、理事長はボソリと呟きながら舌を打った。
そして自らのネクタイを器用に外し、俺の両腕を一つに括ろうとしたが、それだけはさせまいと俺は余計に暴れだす。


「大人しくしてろ!」
「いやだっ!さ、わんじゃ・・っ」
「クソが・・・・っ」


ガッ、と鈍い音がして口の中に鉄の味が充満する。
それと同時に何か金属のような物が床に当たる音が辺りに響いた。


「・・・・・は、」


小気味のいい金属音のした方を向いた理事長は、切れ長の瞳をこれでもかと言うほど大きく見開いた。

理事長の視線の先。
そこには、殴られた衝撃で飛んでいった、ブレザーのポケットに忍び込ませていたボイスレコーダーが銀色のフォルムを光らせながら己の存在を堂々と主張していた。

ああ、もう。


「たっまんねーな」


唖然としている理事長のケツを蹴りあげ、よろけている間に覆い被さっていた理事長から片足を抜き取ってそのまま蹴り飛ばした。


「かはっ・・・!」


床に尻餅をついた理事長を尻目に、俺はゆっくりと立ち上がり側に落ちているボイスレコーダーを拾い上げた。


「な、んだよ・・・それ・・」


震える声でそう言った理事長に、俺はついに堪えきれずに声をあげて笑った。


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