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うっかり緩んでしまった頬を慌てて引き締め、微かに唇を歪めながら俺を見下している理事長の顔を窺った。
・・・どうやら俺が笑ったことに気付いていないらしい。
内心ホッとしながらも、俺は声を震わせながら言った。


「俺をどうするつもりだ・・・」
「さっきまでの威勢はどこにいったんだ?声が震えているよ。だが安心するがいい。今から君には流星が味わった苦しみを味わわせてあげるだけだ。・・・男として一番屈辱的な方法でな」

それは、つまり。

「はぁ、相手が流星だったら喜んで啼かせてあげるのに・・・」


つまりそういう事、だよな。

ぞわり、まるでミミズが這うような感覚が身体中を駆け巡り、俺は自由な左腕で顔を覆った。
ああ、もう。なんだってこんな、こんなに。


「怖い?でも流星はもっと怖くて、辛くて、苦しかったんだよ?」
「・・・・っ!」


派手な音を立てながらブレザーのボタンが宙を舞い、俺の上に覆い被さる理事長のぐにぐにと歪む唇をただ見つめていた。
理事長が何か喋っているらしいが、そんなこと今の俺には聞こえもしない。


「やめ・・っ、やめ、ろ・・・!」


乱暴にワイシャツのボタンを引きちぎられ、俺は慌てて声をあげた。
理事長は冷めきった目を向けるだけで、その手はついにベルトへと伸びていった。

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