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「兎丸悠介君、君は生徒会長である城前翔君に手を上げ、さらに塚本流星君に暴言をはきかけあろうことか彼を蹴り飛ばしたそうじゃないか。我が校は一応一流企業の御曹司を預かっているからさ、非常に残念だけど君みたいな野蛮な生徒を置いておく訳にはいかないんだよね。悪いけど本日をもってして君は退学処分とさせてもらうよ」


風紀で変態に囲まれてから数日後、案の定俺は理事長室へと呼び出しを喰らっていた。

部屋に入った途端に胡散臭い笑みを浮かべながらダラダラと喋る男にため息を吐きそうになるのを抑えながらも黙って聞いていたが、ふざけんじゃねーぞって話。

いや、ここに来るまでは俺も考えてた訳。
一応相手は俺よりも幾分か歳上で、さらには理事長ときたもんだ。それなりの態度を取っておかないと後々めんどくせえことになりそうだ、ってな。

でもよ、こんなクソみてえな奴に畏まる必要ってあんの?礼儀云々言われたって、クズにはそれなりの態度とっても仕方ねえだろ。

とりあえず一つ言いたいこと。


「アンタ職場に自分の感情やら何やら持ってきてんじゃねーぞ」
「っ!?」
「自分のだあい好きな甥っ子が傷付けられてお怒りなのは分かりますけど、ガキじゃねえんだからテメェの私欲で動いてんじゃねえよ」


俺の態度に驚いたのか、それともまさか自分と転校生の関係を知られているとは思わなかったのかは知らないが、理事長は涼しげな目元をカッと開いて俺を見つめていた。

はっ、イイ顔。




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