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「だが、いつもは放課後欠かさずに掃除をするのにある日掃除するのを忘れてしまった日があった。仕方あるまいと思いつつもどこか気になってしまったので、翌日の朝早くに片付けてしまおうと靴箱に向かったんだ。そこで俺は見てしまった」
「・・・あ?」
「喜々として汚された靴箱を携帯の写真に収める兎丸を、そしてその瞳に映る無邪気な光を。その時俺は、兎丸は現状を諦めるわけでも受け入れるわけでもなく、楽しんでいるのだと悟ったのだ。そしてその瞬間、俺はどうしようもなくお前に惹かれていった」

「・・・・・・・は、」

「その高慢な態度を跡形もなくへし折り羞恥に沈めてやりたい」
「や、ちょっと待て」
「ぐちゃぐちゃに泣かせて俺に懇願させてやりたい」
「だから待てって!」
「一晩中溶けるほど甘く愛してやりたい」
「っ、待てって言ってんだろクソ野郎!」


思い切り拳をテーブルに叩きつけ、鈍い音が大きく響く。
内心訳が分からなくて戸惑っているのを悟られぬよう、漸く喋ることを止めた威吹鬼を蔑むように睨みつけた。


「さっき三井に頭おかしいとか言ってたくせに、テメェも変態じゃねーか!」
「三井の頭はおかしいだろう。こんなに可愛い兎丸の奴隷になりたいだなんて」
「テメェも似たようなもんだろうが!」
「余りそう睨むな。そんな顔をされるとその挑発的な表情を苦痛と快楽で歪め、涙と鼻水でぐちゃぐちゃに汚したくなる。猿轡、は声が聞こえなくなるから却下だな。お前の両手両足を縛りつけ、何時間も前立腺を集中的にバイブで刺激し続けたらお前はどのように乱れるのだろうか。プライドの高そうなお前が俺の手によって喘ぐ姿を想像するだけで・・・ああ、クソ、可愛い奴め」
「きっ・・・・」


気持ちわりぃ!!




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