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「捕らえろ、三井!」


突然扉が開いたかと思えば、そこから飛び出してくる必死な顔をした赤髪の不良。
いきなり過ぎてバカみてぇに口を開けてその光景を見ていると、部屋の奥から低く唸るような怒鳴り声が聞こえた。


「風紀から逃げられると思ったのが大間違いっすよ!」
「ぐあっ!!」


怒鳴り声が聞こえた瞬間、部屋の奥から明るい茶色の髪をカチューチャで纏めた男が現れ、流れるような動きで不良の背中目掛けてドロップキックをきめやがった。
全くの無防備な状態でドロップキックを受けた不良は、情けない声を上げて地面へ顎を強打しながら倒れこむ。

予想だにしなかった出来事に眼を瞬かせていたところで、目の前に座っていた亘理がのんびりとした口調で呟いた。


「おやおや、今の顎の打ち方はそうとう痛いでしょうねぇ・・・ね、兎丸くん」
「・・・俺に振んなよ」




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