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「緑茶しかないけど、ごめんね」


そう言ってお盆から緑茶の入った湯呑みを机の上に置く男、名前は亘理美里と言うらしい。
ふんわりとカールした肩まであるミルクブラウンの髪に、優しげな目元。いかにも優男な風貌のこの男はこれでも風紀委員というのだから驚きである。

何故俺が亘理に茶を貰っているかと言うと、早い話し風紀委員長である威吹鬼にほぼ無理矢理連れてこさせられたからだ。

俺をここに連れてきた当の本人は、今頃別室で親衛隊の奴らに話を聞いている・・・・と亘理が言っていた。

が、抵抗する俺を無理矢理連れて来やがったくせに、俺のことは後回しにするなんていけ好かない奴だ。


「チッ、まだ来ねぇのかよ」

「多分もうそろそろ取り調べが終わるかと思うんですけどねぇ・・・」


どうしたのでしょう、そう言って首を傾げる亘理に、俺は大きくため息を吐いた。

この男の仕草や雰囲気は肩の力を抜けさせるというか・・・。


また一つため息を吐いたところで、威吹鬼が親衛隊の奴らと一緒に入っていった部屋から花瓶が割れるかのような音が聞こえた。


「!?」


慌てて扉の方に顔を向けると、突然扉が激しい音をたてながら荒々しく開いた。



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