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「い、威吹鬼風紀委員長?!どうしてここに・・・・!!」


一番最初に声をあげたのは、場を仕切っていたチワワの片割れだった。
チワワの視線を辿っていけば、そこには黒に近い紫色の髪をオールバックに纏めた、眼鏡をかけた男がいた。

正直この学園の風紀委員長が誰とかさっぱりわかんねぇけど、チワワがそう言うんなら間違いねえんだろうな。だとしたら今のこの状況って、なかなかめんどくせえ事になるんじゃないか・・・?


「貴様ら、ここで何をしている」


切れ長の目を細めるその姿はまるで獲物を狙う鷹のようで、溢れ出す威圧感をモロに受けているチワワ達は顔面から血の気が引いている。


「えっ・・と、その、ただ話しを・・・」
「話?一体何の話だ」
「それは・・・・っ」
「言えないような話なのか」
「っ!」


俺は今まで何回も制裁にあってきたが、風紀の奴らに遭遇したことはなかった。
つうか普通こういう制裁にあう奴って風紀に保護される、っていう話を聞いたことがあったんだが、そういえば俺にはなかったな。
・・・あの話は聞き間違いだったのか?それとも俺が制裁にあっていることを知らなかったとか?

つっても散々荒らされた靴箱は放課後になったら綺麗になってるし、一応俺が制裁を受けていることは知ってたんだろうな。

だとしたら何故俺は保護されなかったのか。いや、別に保護されたかった訳じゃねえが、今頃になって俺を助ける意味はなんだ。しかもただの風紀委員ではなく、委員長自らが動く意味は・・・。


とにかく風紀が動き出したことで一つ言えること。



普通に制裁受けるよりめんどくせぇ・・・。




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