生徒会室でのゴタゴタがあった次の日のこと。
俺はいつもの如く、生徒会親衛隊であろうと思われるチワワ二匹と無駄に派手な頭をした不良四人に体育館裏で囲まれていた。
人がせっかく気持ちよく読書をしていたと言うのに・・・・。
「ちょっとあんたさっきからぼーっとして、僕たちの話聞いてるわけ!?」
「ちゃんと状況を理解して行動しなよね!!」
キャンキャンと甲高い声で吠えるチワワ二匹にチラリと視線を移しつつも、俺は正直うんざりとした気分でいっぱいだった。
こうして親衛隊の奴らに呼び出せれる度に不良やガチムチの相手をして、んなもん誰だって嫌になるのが当たり前だろ。俺は毎日体動かすのは好きじゃねえんだっつーの。
とは言ってもこのまま黙って殴られるのは死んでもごめんだし、結局は避けては通れない道ってことだ。
「クソめんどくせぇ・・・」
ポツリと呟いた俺の声に反応したチワワが何か喚いているがそんなことどうでもいい。
さっさと終わらしてまた読書に熱中しよう。
そう思って一番右側に居た赤髪の男に近付こうとした瞬間、
「待て」
突然この場にいる誰でもない男の声がしたのだった。
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