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「そう熱くなんなよ。天下の会長サマがらしくないぜぇ?」



唇を片端だけ器用に吊り上げて笑えば、会長は忌々しそうに眉を顰めさせ、握られた拳を振りほどこうと腕を引いた。

が、結構な力で握ってるからか振りほどくことは適わず、会長は苛立たしげに舌を打った。



「いきなり殴りかかるなんて酷いじゃねぇか、あ?」
「テメェが言えた義理じゃねぇだろうが!」
「ふはっ、それもそうだ。だが俺はそこの糞気持ち悪い奴から精神的苦痛を虐げられたんだぜ?技の一発や二発構わねぇだろ」
「ふざけんな・・・!!」



くつくつと喉を震わせながら言うと、会長は怒鳴りながら左足を振り上げようとした。

まぁそんなもんに当たる筈もなく、会長の左足が地面から離れたのと同時に残った右足を払い、地に着く足が無くなった会長は見事に床に倒れ込んだ。


ざまァみろってんだ。



「クソが・・ッ」
「良い様じゃねぇの、会長サマ」


地面に押さえ付けられながら睨み付けてくる会長を嘲笑うかのように唇を歪めれば、会長は俺を睨む眼光をさらにきつくさせた。

この状況でよくそんな嘗めた態度取ってくれるよなァ。


でもよ、



「あんま調子乗ってっと、マジで痛い目見ることになるぜ?」




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