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わざとらしく腕を摩れば、会長は腹立たしげに舌を打った。
腹立ってんのはテメェだけじゃねぇっていうのに、これだから俺様糞野郎は。


「ゆ、悠介・・・・」



苛立ちながらも乱暴に下着を身に纏い制服のスラックスに足を掛けていると、転校生が何とも弱々しげに声を掛けてきた。

が、転校生の問いかけに答えてやる義理もクソもねぇ訳で、そのまま無視してスラックスを履くことを続行した。



「悠介!!!」


無視してベルトのバックルを弄っていたらさっきの弱々しい声は何だったのかと問いただしたくなるような声で俺の名前を呼ぶもんだからさ、すっげぇ面倒だったけど優しい優しい悠介クンはわざわざ返事してあげるわけ。


「んだよ」
「俺・・・、今までごめんな・・・・!俺の思い込みで本当の悠介に気付いてあげれなくて・・・」
「はあ?」


え、もしかしてやっと俺の気持ち伝わった?
俺がいかに平和に暮らしたくて、いかに頭ン中脳みその変わりにミミズ詰まってんじゃねぇの?とでも疑いたくなるようなクソ野郎(転校生)に関わりたくねぇか、

やっと理解できた?



「悠介は過去に辛い出来事でもあったんだろ!?それで周りの人間を信じることができなくなって・・・、だからそうやって皆を傷付けるようなことばっかり言うんだ!!そうだろ?!」
「・・・・は?」
「ごめんな、親友なのに今まで気付かなくて・・・・、前俺にヒドイこと言ったのも素直になれなかっただけなんだよな?でももう大丈夫だぞ!!俺が悠介のトラウマを克服してやるよ!!」



一瞬でも期待した俺が馬鹿でした。



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