思いの外擦れた声でそう言えば、副会長はゆっくりと俺の腕を解放してくれた。
「あー、腕だるい」
ぐるんぐるんと肩を回しながらそう言うと、副会長はまた俯いて黙ってしまった。
・・・何でこんなに落ち込んでんのか知らねぇが、俺の前でそんな顔するのは許さねぇよ。
「なぁ副会長。こっち向いてみ?」
「・・・・」
ソファーに横になっていた体を起こしながらそう言うも、副会長は一向に俯いたまま。
その態度にイラッとした俺は、ソファーからゆっくりと立ち上がって副会長の頬を両手で覆い・・・
「え、ちょ、悠介く・・・んんんんっ!?」
思いっきり引っ張った。
予想以上に伸びる頬に、俺は思わず頬を引っ張る力を強めてしまう。
「いたたたたた!ゆうひゅけきゅんはなひへくらはひ・・・っ」
「ふははっ、何言ってんのか全く分かんねぇわ」
「ゆ、ゆうひゅけきゅん!」
頬を引っ張られたまま必死に喋る副会長に思わず笑ってしまうと、副会長は徐々に顔を赤く染めた。
さすがに怒ったか?
いやでも手ぇ外そうとしねぇし。つぅかこれ楽しいし。
「ゆうひゅけきゅん・・・」
「んだよ」
「はなひへふらはい・・・」
「ん、あとでな」
「・・・」
やっべ、はまるわ。
◎