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「キミが噂の悠介クン?」
「何の特徴もない顔だね〜!あ、でもパーツ自体は整ってるんだね」
「ほんとだー!ちょっとつり目気味だけど目は大きいしね」
・・・なぜこんなことになっているのだろう。
今の状況を説明すると両手を頭の上で縛り付けられ、腰の辺りにやけに顔の整った男が何の遠慮もなく乗り掛かっている。さらにその男と全く同じ顔をした男が、俺の頭をその男の膝の上に置いて・・・所謂膝枕みてぇな体制で俺の顔を覗き込んでいた。
新入生歓迎会で散々目にしたこいつらは、学園きっての人気者集団、生徒会の双子会計だった。
なぜこんな状況になったかと言うと、初めは放送で生徒会室に呼ばれたからだ。
内心物凄く行きたくなかったが、ここで行かないと余計うざそうだったので仕方なく足を運べばこの有様。
生徒会室に行ってみればそこに居たのは双子会計のみ。目が合った瞬間にこりと微笑んだ双子会計に嫌な予感がした俺は、瞬時に帰ろうと踵を返すも双子の片割れに腕を掴まれあっという間にネクタイで縛られてしまった。
で、今に至るわけだが・・・。
「テメェら何がしてぇの?またあの転校生か」
頭に思い浮かんだのはもっさり頭の転校生。今までの経験からして面倒くせぇ出来事は全部あいつと関連している。
どうせ今日もそうなのだと思いながら双子会計を睨み付ければ、双子会計はにっこりと笑ってこう言った。
「「俺たち、別に流星のことでキミに絡んでるわけじゃないよ」」
「・・・・あ?」
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