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らしくもなく照れまくる北川を散々弄り倒した後、俺は人の少なくなった講堂を後にしていた。

未だ新歓の興奮が治まっていない生徒たちが廊下のあちこちに固まっているのを見ながら、俺は小さくため息を吐きながら寮へと足を運ぶ。


ああ、これから面倒なことになりそうだ・・・。


ただでさえ副会長とペアになって目を付けられてしまったというのに、仕方ないとはいえ逃げ切ったことによって生徒会からのご褒美、か。
これは絶対荒れるだろ。

クラスの連中にはもう釘を打っておいたから多少はましだろうが、何も知らねぇカス共は性懲りもなくまた呼び出してくるのだろう。


面倒くせぇ。

面倒くせぇけど、心のどこかで現状を楽しんでいる自分が居るのもまた事実で。

つい最近まで存在を知られていなかったことが嘘のように、水面を揺るがす波紋の如くじわじわと俺の存在が知れ渡っていく。

それは決して、いい意味ではないけれど。


それでも俺は今のこの状態が、楽しくて楽しくて仕方がない。

それだけが唯一、転校生に感謝できるとこだろうな。


だが俺はやられっ放しじゃ終れねぇ。





やられたらやり返す。

常識、だろ?









to be continued...

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