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マイク独特のハウリングが講堂内に響き渡り、俺は顔を顰めさせながら発生源の方へと顔を向ける。
案の定そこには生徒会の連中が居たわけで、マイクのハウリングに負けない程の歓声が講堂内を包み込んだ。

・・・いくら閉鎖的な空間だからとはいえ、さすがに何年間もこの顔を見ていて飽きないものだろうか。俺は一年ばかりしかこいつらの顔を見てないが、もう飽きたぞ。
今更ながら、この学園の異常さに鳥肌が立ったわ。


「皆さーん!鬼ごっこ楽しんでくれたかなー?」
「早速だけど、見事生き残った勇者くんを発表したいと思いまーす!」
「「それでは会長、どうぞ!」」


ぽつぽつと立った鳥肌を擦っていると、双子会計が無駄に間延びした喋り方でそう言った。
いつも思うんだが、双子だからっていちいちハモらせる必要性って何?いらなくね?

まぁどうでもいいんだが。


そんなことを考えていると、会長がスラックスのポケットに手を突っ込みながら話しだした。
・・・会長がその態度はねぇだろ。


「生き残った者は二年A組兎丸悠介と三年S組茂森飛鳥ペアと、同じく二年A組塚本流星とこの俺のペア、以上だ」


それだけ言うと会長は近くにいた双子会計の片割れにマイクを投げ渡し、さっさと舞台裏に引っ込んでいった。
開会のときといい今といい、何なんだアイツは。あんなんが会長やってるとかマジでありえねぇだろ。

苛立つ心を押さえながら会長の去っていった舞台裏を睨み付けていると、双子会計がとんでもないことを言いやがった。


「なおー、兎丸悠介くんは手錠を壊しちゃったのでペナルティとしてトイレ掃除も行ってもらいまーす」
「でも一応逃げ切ったからお願いは聞くし、トイレ掃除も本館二階のトイレを一週間でいいよー!」
「「有り難く思ってねー!」」



・・・・ありえねぇ!

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