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「はっ、はぁ・・不知火く、んと・・・仲良かったんですね・・・っ」
「あ?仲良くはねぇけど、ちょっと手違いで懐かれちまっただけだ」


ほんとにちょっとした手違いだよな・・・。太雅がマゾヒストじゃなかったらこうして懐かれることもなかったわけだし。


「手違い・・・新長君とも手違い、ですか?」
「凌空?あー、あれも手違いだな」


まさか虐めから助けて惚れられるとは思わなかったし。しかも助けたあとに俺も虐めてたし。どこで惚れられるような場面があったのか全く分からねぇが、あれもちょっとした手違いだ。
俺があのとき凌空を助けなかったら惚れられてなかっただろうしな。

何かこうやって考えてみると今のこの現状って全部俺のせい?
・・・いや、元はと言えば転校生が俺に絡んでこなければ凌空に俺のことがバレなかったわけだし、太雅をぶん殴ることもなかったわけだ。
よって俺は悪くない。無実。

・・・・だよな?


自問自答を繰り返している俺は気付かなかったんだ。
俺に手を引かれて走ってる副会長が、俺の背中をじっと見つめていることなんて。

副会長の消えてなくなってしまいそうな程の小さな呟きなんて。



――、『僕が貴方に惹かれ始めているのも、貴方にとってはただの手違いなのでしょうか』




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