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副会長と特に何か喋るわけでもなく誰も居ない廊下を歩いていると、校内の至るところに設置してあるスピーカーから音声が流れだした。


『えー、ごほん!残り時間は後10分でーす!これから特別ルールとして、捕まってしまった人達は鬼として復活することが可能になるよ!』
『捕まえた人は見事商品ゲット!今までに捕まってない人達も頑張って逃げてねー!それじゃ、鬼さん放出〜』


ブツン!という荒々しい音を立ててスピーカーが切れたのと同時に、どこか遠くから凄まじいほどの足音が聞こえてくる。

サーッ、と身体中の血液が下がるのを感じながら副会長を見上げると、副会長も同じような顔で俺を見下ろしていた。


「・・・何考えてんだ生徒会は」
「僕だって知りませんよ・・・」


重々しいため息を二人して吐いたと同時に、後方から「見つけたぞー!」と言う声が聞こえる。

チッ、早速かよ・・・!

さっさと走らねぇと捕まっちまう。そう思って走りだそうとした時、手錠を壊してしまったことを思い出した。


「クソ!ぜってぇ手離すなよな!」
「え」


副会長の戸惑うような声を無視して、俺は副会長の手を掴んで走りだした。手錠とは違って必ず繋がれているという訳じゃねぇから、汗で滑る度に何度も何度も繋ぎ直す。




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