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「自分から壁作っといて理解して欲しいなんて、甘えたこと言ってんじゃねぇよ」


副会長の目を見つめたままそう言えば、副会長はぴくりと肩を震わせた。


「壁を作ってなんか・・・」
「作ってるだろうが、馬鹿。嘘くせぇ笑顔張り付けて他人を見下してるくせに、そんなんで理解して欲しいなんてふざけてんじゃねぇ」
「別に理解して欲しいわけじゃ!」
「嘘だな。さっきテメェは誰もそんなこと言わなかった、って言ってたろ?それって誰かに言われるのを待ってたってことじゃねぇの」
「っ!」


俺の言葉に副会長はハッとしたように目を見開いた。

図星、だな。


「理解されてぇならまず自分から理解されようと努力しやがれ」


呆然と立ち尽くしている副会長の目を真っ直ぐ見ながらそう言うと、副会長は渇いた喉を震わせながら口を開いた。


「な、んで・・・貴方はそんな・・・、僕は貴方に酷いことを沢山言ったのに・・・っ」


副会長は自分でそう言いながら眉を顰め、俺の真意を図ろうと見つめてくる。
ま、確かに今まで邪険に扱っていた相手にこんな説教みてぇなことされたら訳わかんねぇよな。

つうか俺も訳わからん。
まぁとりあえず、


「副会長のことは気に食わねぇが、努力もしねぇで駄々ばっかこねてるガキはもっと気に食わねぇって話だ」


にっこりと笑いながらそう言えば、副会長はパチパチと数回瞬きをしたあと、今までの胡散臭い笑みとは違う、柔らかい笑みをうっすらと浮かべた。




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