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「・・・貴方ってホントに何者なんですか」


誰も居ない廊下を黙って歩いていると、副会長が声を潜めながらそう言った。


「いとも簡単に手錠を壊してしまうし、あんな体格の大きい相手を怯ませてしまうし。・・・それに僕の笑顔を胡散臭い作り笑いだなんて・・・。」


ぼそぼそと喋る副会長の顔を見つめれば、副会長はどこか遠くを見つめているようで視線が交わることはなかった。

何か面倒くせぇな。


「手錠壊せたのはあれがオモチャだからだろ。本物だったら普通に無理だし。あのゴリラ達は見た目だけでクソ弱いからな」


つうか今思い出したんだが、たしか鬼ってサッカー部とバスケ部と野球部と陸上部だったよな。
・・・あいつらあんな顔してやけに爽やかな部活やってんだな。てっきりラグビーとか柔道とかそっち系かと。

まぁどうでもいいか。


「副会長の笑顔が胡散臭いなんて、誰が見てもそう思うだろ。俺の連れが見てもぜってぇそう言うわ」
「でも今まで流星以外誰もそんなこと言わなかった・・・!」
「そりゃあれだろ。この学園の奴は顔が良ければ全て良し、のキチガイ連中ばっかだし。胡散臭かろうが何だろうが格好いいからどうでもいいんじゃね?」
「で、でも!ここの生徒だけじゃない!大人達だって・・・親でさえ何も言わなかった!」


悲痛な声で叫ぶ副会長の目は、微かに潤んでいるように感じた。

いつの間にか俺と副会長の視線は交わっていたんだ。




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