13





咄嗟に口を閉ざして息を潜める。こういう時って何故か呼吸まで止めてしまうのは俺だけじゃねぇはず。

つうかマジ副会長の心臓うるせぇんだけど。



「うわ、この教室埃っぽいな!・・・誰もいねぇしな」
「まぁこの教室って全然使われてないしなー」
「おっしゃ、次の教室行くか」


ロッカーの外から聞こえる会話にさっさと出ろ、なんて思っていると、声の低い方がとんでもねぇ事をいいやがった。


「あ、一応ロッカー調べようぜ」



・・・余計なことを!
思わず身を捩るも、ロッカーの外からは徐々に近付いてくる足音が聞こえてくる。
ああもう、逃げれねぇ!



――ガタンッ


鈍い音と共に瞬時に射し込んでくる光と新鮮な空気。暗闇に馴れていた目に突然の光は眩しすぎて眉を顰めさせながらも、俺はロッカーを開けた奴にチラリと目を向けた、ら。


「・・・・あ?」
「え、あ、ああぁ!!!?」


ゴリラのような体格に高校生離れした顔付き。どこかで見たことのあるそいつと目が合えば、ゴリラみてぇなそいつは俺を指差しながら大声を上げた。

うっせぇ。


「お、おおおおお前はあの時の!!!」


そう言って顔を真っ青にさせるゴリラ。さらにその後ろに立っていたこれまたゴリラのような体格に高校生離れした顔付きの男までも、まさに驚愕といった表情を俺に向けていた。

・・・誰だ。





prev next


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -