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リノリウムの床を強く蹴り上げ、迫り来る生徒共から全速力で逃げる。
一ヶ月間トイレ掃除は地味にきついっていうか学園に何個トイレあると思ってやがる。大体二週間後はテストだって言うのにマジで有り得ねぇ!

つぅかよ、


「テメェもっと速く走れねぇのかよ!」
「うるさいですね!貴方が異常に速すぎるんですよ!」


副会長の足が何だか遅いように感じる。ていうか俺よりは確実に遅い。確かに俺はクラスでも結構足が速い部類だと思っていたが、まさかここまで差があるとは。
・・・陸上部入ればよかったか?

とにかく今はさっさと後ろの連中を撒かなければ。


「ぜってぇ転けるなよ!」
「は?わっ、ちょ・・・ま!?」


斜め後ろを息を荒くしながら走っている副会長の手首を掴み、そのまま強く引っ張りながら走るスピードをグッと上げた。
副会長の焦ったような声が聞こえたが、まぁ大丈夫だろう。


「は、はや・・・!!」


後ろからは誰かの呟きがうっすらと聞こえ、心の中で礼を言いながらも俺は一心不乱に走り続けた。



*


「はっ、はぁ・・・あ、あり得ない・・・・!」

何とか生徒共を撒いた俺達は、普段使われていないような埃っぽい教室で腰を休めていた。
その教室の地べたに副会長は座り込んで、ハァハァと荒い息を落ち着かせながら言ってきた。


「な、なんで・・・っは、はぁはぁ、何でそんなっ、はぁ・・・!」
「は?日本語喋れば?」
「だ、から!はぁ、は、・・・何でそんなに元気なんですか!?」



ああ、そんなことか。
そんなの決まってるじゃねぇか。


「鍛えてるから」


当たり前だろ?




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