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「次い〜、243番!」
次々に番号が呼ばれ、講堂内が歓喜や落胆の声で溢れかえっている中、ついにあの番号が呼ばれてしまった。
「次259番っ!手錠受け取った人はさっさと逃げなさ〜い!」
ああ、ついにこの時がやってきてしまった。
鉛のように重たい足を引きずりながら講堂出口まで向かっていると、突然出口の方から甲高い悲鳴が聞こえてきた。
嫌な予感しかしねぇのは気のせいだと思いたい。切実に。
無論俺の切実な願いは叶うこともなく、嫌な予感はばっちり当たってしまったのだった。
「・・・・副会長」
「どうぞよろしく、兎丸君」
琥珀色の髪を耳に掛けながら嫌味ったらしく笑ったその男は、人畜無害そうな笑顔とは真逆の腹黒美形副会長だった。
よりに寄って何でこいつ・・・!
ぶっちゃけ生徒会の中でこいつが一番苦手だ。会長は頭わりぃから暴力とかそういう荒っぽい事しかしてこねぇし、冬吾先輩は基本的に無害。双子会計は特に関わってねぇし。
だが副会長は違う。
胡散臭いお綺麗な笑顔張り付けたままネチネチネチネチと嫌味を吐きまくるんだ。・・・あれは正直堪えたわ。
そんな副会長と約半日手錠で繋がれて過ごすなんて、マジでありえねぇ。
「じゃあ行きましょうか」
「・・・っす」
ありえねぇけど、やらねぇといけないんだから仕方ねぇだろ!
まだ始まってもねぇけどらしくもなく不安でいっぱいです。
◎