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「で、俺に何の用?」


北川と二人で教室を去った後、俺は連れられてやって来た数学準備室で北川に入れてもらったコーヒーを啜っていた。

何の用とか聞いてみたけど、まぁ大体予想はできるよな。大方、何か嫌味っぽいこと言われるんだろうよ。あんだけボロクソに言ったしな。


コーヒーの苦味を舌で転がしながらも北川が話しだすのを待っていると、北川は俺の目をジッと見つめながら口を開いた。


「お前、新長と付き合ってんのか・・・?」
「・・・はぁ?」

形のいい唇から吐き出された言葉はとんでもないもので、余りにも驚きすぎてカップを落としそうになったが寸でのとこで何とか堪えた。

・・・何言ってんだコイツ。


「俺が男と付き合うわけねぇだろ。気持ち悪いこと言ってんじゃねぇ!・・・つぅかもしかして話ってこれ?」
「いや、話は別なんだがな。・・・男と付き合わねぇのにキスはすんのか」
「はぁ?」


いやいや、ホント何言ってんだコイツ。まじ頭おかしいんじゃねぇの?
やたらと真剣な顔で言ってっから余計気持ち悪い。


「あれは凌空が勝手にしてきたんだろうが。誰が好き好んでキスなんかするか」


とか言ってはみたが、よく考えると俺って不知火と寝たんだった。
・・・とりあえず今は忘れよう。北川も微かに微笑みながら「そうか」とか言ってるし、変にほじくるのもよくない。

つぅか、


「結局用って何だよ」


そろそろ本題に入りてぇ。




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